うつとしにたい

ひとはしんでも、いいらしい

うつとお医者(精神科) その2

 

というわけで、「うつとお医者(精神科)その2」です。その1はこっち。

 

はじめての精神科であまりのクソ野郎のクソヤブ野郎お医者さんに当たってしまったやまもとくん。そんなやまもとくんがどうしたのか?!それは……「新しいお医者探し」です。

 

いや当たり前のことしたんか~~~い!!!!

 

そう、そうなんです。どうもわたしが某google先生を使用して調べまくったところ、やっぱり、自分に合わないお医者は変えていいそうです。普通に考えたら当たり前ですよね。伝えなきゃいけない症状がわかりやすい熱喉鼻ではなく、しんどいだるい眠れないなどなどこころの話であるというのが精神科。だから、お話をしてみて自分に合わなければお医者を変えるのは悪いことでも何でもなくごくごく普通のことなのです。風邪にだってセカンドオピニオンという選択肢があるわけで。

 

ごく当たり前のことらしいので、「あわなかったけどおんなじところにかよわなきゃ…」なんてことはこれっぽちもありません。みんな安心してがんがん医者を選んでいこうぜ!

 

ちなみにみなさまは、良い医者、悪い医者の判断の仕方ってわかりますか?わたしも実はよくわかってません。ていうかたぶん精神科医の良い悪いってじぶん自身の価値観によるからです。すごくいろんなブログに書かれてるんで参考にしてみてください。

個人的にいうのであれば「あなたがこころのうちを話したとき助かったと思えるお医者」が良いお医者です。逆に言えば悪いお医者はあなたが「こいつだけは死んでも呪い殺す」と思った医者です。これはかなり極論ですので参考にしてほしいとは思いませんが、でもそれがすべてだとわたしは思っております。何度か通ってみないと医者の良し悪しは判断できないという意見の方もおりますし、それはそれでその通りなのでわたしの意見がすべてではありませんが、心の病気なのですから、心のままに選択しないと、意味ないです。もちろんわたしは一発目からもうあんなだったんでちくしょうクソが呪われろ!!!!!!!!!と思って別の医者にかかりました。正しくいうと、新しいお医者でちゃんと治療を開始してまともになってから思いました。当時は、ただひたすらかなしかっただけです。なのでとにかくお医者に行って、そんでそっからいろいろ考えよう。

 

ただ、わたしの場合はその1で書いたみたいに、またおんなじことになるのが怖くて同じ医者にかかろうとしてしまってました。どうせおなじことになるんだったら、とにかく薬だけもらって治るまで薬だけ飲んでおけばいいやって思っていました。

 

ここでわたしからお願いです。

 

もしそうしようとしてる人がいたら死んでもやめてください。周りにいたら死んでも止めてください。こころにやさしくない医者が出すような薬は、あなたのこころに死んでも作用しません。これは絶対にそうです。絶対の絶対にそうなので、おねがいします。やめてね。

 

そんなわけで、K診療所で2週間分の薬をなんら説明もなく出され去り際に「これで効かなかったらとりあえず増やせばいいから」と処方しくさりやがったてくださった医師の言いつけを守り、2週間抗うつ剤を飲み続けました。2週間たって効果があったかというと、多少あったかな、どうかな、まあ、わかんねえな、というのが本心です。抗うつ剤というのは、2、3週間たたないと薬効が出ないシロモノだからです。2週間目くらいに、少しだけ元気で、ご飯も食べれて、兄曰く「久々に表情があった」日がありました。うつは、調子よい悪いが結構はっきりしているので、それが薬のおかげかどうかはわかりませんが、それまでずっとご飯も食べられずに、寝てばかりいたので聞き出してはいたのかな?と思います。

 

ただ、わたしがその当時1番しんどい思いをしていたのは、唐突に来る「死にたい死にたい死にたい死にたい」というどうにも抗えない死にたさの波と、動けなくなるほどのうつ症状の発作でした。それを和らげる即効性は抗うつ剤にはありません。それを和らげてくれるのは抗不安薬、いわゆる安定剤というものです。わたしも、次にかかったお医者さんでその抗不安薬を出してもらって知ったんですが、うつそのものを治療する抗うつ薬と、わたしが一番しんどくて辛い不安を和らげる抗不安薬は、役割の違うものなのです。なってみないとおんなじものだと思うよね。1回目のお医者ではそんな話一切なかったので、本当にあの医者マジでヤブなんじゃねえかなって本気で思ってます。来年あたり足の小指の骨をわりと複雑めに折り倒してほしいところですね。

 

お話がそれました。

 

はて、それじゃあわたしが信頼できるいまのお医者にどうやってたどり着いたか、というお話ですが、もう、ぶっちゃけます。運です。運。リアルラック。

もちろんインターネット検索でしたが本当に運がよかったとしかいえませんでした。

 

そのお医者は、ネット上によくあるいろんな病院の情報総合サイトみたいなところでは「精神科・心療内科」を取り扱っていると書いてありましたが、病院の名前は「◎◎神経科・内科」だし、病院自体の公式サイトがないし不安オブ不安でしかありませんでした。しかも予約は一切受け付けていないという事態。怪しさしかない。それでも情報サイト3つくらいに名前は載せていて、そのうち2つは5点満点中5、1つは5点満点中3.5点。「これどうみても情報操作してんだろ」という高得点高評価に最高の疑心暗鬼。

 

それでも、もうわたしには選択肢がありませんでした。姉が通っていた端的に言うとクソな精神科医に自分もかかるか(ただしこれは姉に合わなかっただけで自分には合っていた可能性もあって一概にダメだとはいえませんので、皆様はほかの方の紹介も聞いてみてください、ぜひ)、総合病院の精神科医にかかるか、怪しさ満点の神経科に行くかのどれかでした。

 

しかし、総合病院の精神科は、電話当時11月の頭でしたが、次に初診で予約が取れるのが12月の頭というワケのわからない事態。かといって姉と同じところにも、最初にいったところにも絶対にいきたくない。けれどもう処方されたお薬はなくなってしまう。しかも全く不安の発作は収まらず、毎日どこかの時間に死にたくなり、動けなくなる毎日。

 

悩みに悩んで、その「◎◎神経科・内科(以下M神経科とします)」へ、足を運びました。

そんでいってみたらもうパッと見すげえしょぼい。マジでしょぼい。狭くて小さい雑居ビルの一階みたいなしょぼさと古さ。やまもとくんの不安、天元突破。だいたいもともと不安でしかも最初の医者のことがあり、もうダメだとすら思いました。正直、薬だけ処方してもらって帰ろうと思って院内へ。

 

院内に入ると、靴を脱ぐところに、紅葉の飾り物と、きれいにならんだ子供用のスリッパ。待合室が見えないようになった目張りの玄関からそのまま中に入ると、けっしてお金はかかってない、けれど町のお医者さん特有の、誰しもが安心する待合室。手書きで書かれたかわいいポップと院内のお知らせや、患者さんを損させないための情報がまとめられたテーブル。きれいに並べられた雑誌、お子さん用の絵本。大きくてきれいな時計。

 

あ、ここなら、だいじょうぶだ。

やまもと、この時点で半泣き。

 

そして、結果だけ申し上げます。

 

本気で最高のお医者でした。

 

予約制ではなく、2時間3時間待つかなあと思っていたら、わたしの前におひとり待っていたにも関わらず、やまもと呼ばれて診察して薬局で薬もらうまで1時間かからず。それなのに、そのお医者さんは、最初に家族構成を聞いてきたくらいで、そのあとはわたしの支離滅裂な話をうんうんときいて、あたかも風邪とおんなじくらいの気軽さで、うつはあなたが思うより、そんなにたいへんなことじゃないんだよいうような気楽さで「うん、それ、つらいでしょう」とわたしの目を見て笑ってくださいました。

 

お医者ガチャ2回目でSSR引いてきてんですけどこれほんと?!?!??!?!

というくらいあまりにもごく普通に風邪を見るのと同じテンションで診察してくださり、15分くらいでわたしのことを全部きいて肯定しわたしの質問や吐露に嫌な顔を一切せずちゃんと全部答えてくれ、出す薬の説明を手書きのメモで手渡してくれました。まあ字が汚すぎて読めなかったんですけどそれはご愛敬です。今でもマジでよくわたし泣かなかったなって本気で自分をほめてあげたい。

 

最後に、あきらめ気味に最初のお医者でも言った「死にたいってワーってなったときはもうやり過ごすしかないですか?」の質問をしたら、「それならこのお薬も飲んでみて」と、抗不安薬を出してくださり、繰り返し繰り返し「うつはね、治るからだいじょうぶだかね。でも、首を吊ったり、死んじゃったら、もう自分じゃどうにもできなくなっちゃうからね」となんでもないことのようにいってくれたことが、本当にわたしの救いになったのです。

 

そして昨日あまりにも大錯乱して家で大暴れして死のうとしてやばかったので急遽今日も診察してもらいに行き、ヤバかったことを伝えたら「そうだねえ、しにたいのはしかたないよねえ、そうなっちゃうよねえ」と、これもまたなんでもないことのように言ってくださいました。

 

お医者さんが「しにたいとおもうのはしかたない」と言ってくれる。これがどれだけありがたく、そして、生きることを強要しないことがどれほどまでにうれしいか。

 

いろんなことをメモしていって聞いたのですが、それにもすごく親切に答えてくださいました。もうわたしはこの先生の言うことはすべて信頼できる。それほどまでに素晴らしい先生と出会えたのは、運です。正直運なんです。こればっかりは本当に運で、だから、実は、これ読んでくれてるひとにあんまりなんにもいえません。でも、ただひとつだけ、お伝えしたいことがあります。いや、ひとつじゃなくてふたつとかみっつとかよっつくらいあります。

 

ひとつめは「どうしてもつらかったら、絶対に病院にいってください」

ふたつめは「精神科医の先生には、絶対に期待しないでください」

みっつめは「信頼できる先生に出会えるまで、病院を変えることに、罪悪感を持たないでください」

よっつめは「信頼できる先生に出会えたら、出来る限りでいいです、あなたの話したいことだけでいいです、あなたのつらいことを先生にお伝えしてください」

 

1、風邪のときに病院にいかない人はいないです。

 

2、精神科の先生は、医師の資格があればだれでもできちゃうから、ヤブが多いです。期待すると裏切られます。期待しないでおきましょう。傷つけられたら、そいつを呪いましょう。主に足の小指が地味に痛くてめんどうくさいです。

 

3、たとえドクターショッピングと誰かに揶揄するように言われたとしても、ばかにされても、あなたのこころが安らげるお医者に会えるまで、いろんなお医者に会ってみてください。それは我々患者にゆるされた権利であり、だれかにばかにされたり、そのせいで不安にさせられたりつらくさせられたりしてしまうようなことではありません。馬鹿にされたり、あきらめなよといってきたり、クソみたいな医者を紹介してきた奴がいたら、そいつの足の小指が折れるように呪いをかけましょう。

 

4、そして最後に、信頼できるお医者に会えたら、そのお医者さんにあなたの話したいことを話してください。もちろんお医者さんは時間が限られています。カウンセラーでもありません。だから何時間も、どんな話も聞いてくれるというわけではありません。でも、あなたのさみしさやつらさやかなしさを、理解しようとしてくれます。そして、否定することはありません。あなたのこころのことをだれよりも治そうとしてくれるのがあなたのお医者です。そしてそのお医者と出会えたのはあなたの努力のおかげです。あなた自身ががんばって、しんどいのにお医者さんに会いにいけたこと、たくさんほめてあげてね。おつかれさまでした。お医者といっしょにゆっくりだらだら、治していこうぜ。

 

わたしは運よく2件目でよいお医者様と出会えましたが、出会えない方が多いそうです。個人的な経験から、「心療内科」とお題目を掲げていなくても、こういうお医者様はいますので、怪しいかもと思っても、ぜひ電話をしたりいってみたりしてみてください。

 

しんどくて、つらくて、きついなか、病院にいくのは本当に体力がいります。本当につらいです。きっついです。でも、行かないともっとかなりつらいです。あなたがいま、つらいのに、病院にいかないで高熱を我慢しているのなら、ぜひ病院にいきましょう。

 

その1の記事でわたしは案外らくになると言いました。これ、本当です。お医者は、信頼できません。怖いところです。行きたくないところです。でも、行かない方がもっと怖く、そして本当に信頼できるお医者に出会えたとき、あなたの人生の怖いしんどいきっつい不安は消し飛びます。

 

ちなみに私は抗不安薬を飲むようになってから、かなりよい調子です。用法用量お医者の言うことをよく守って素敵な通院ガンギメヤクライフを!

ちなみに、ちゃんと自分の症状をお話しないと、まったく頓珍漢な薬が出てきたりして効かないこともあるので、ちゃんとお話しできるか不安な人はメモをしていくといいらしいぞ!今日のときわたしもメモしていきましたが死ぬほど役立ったのでガンギメヤクライフのライフハックとしてお伝えしておきます。

 

今日もよき日々を!